出会い系アプリについて考えてみましょう。
何百万ダウンロードされていてもプロフィールの設定をするユーザーが極端に少なく、最初のメッセージ送信さえしてもらえない出会い系アプリは、ユーザーが全くいないようなものです。
無料トライアルから有料会員に転換させることができないと、生き残ることはできません。
誰かがあなたのアプリをダウンロードしたり、無料トライアルの開始やメールの購読を開始した、ということを知るのは、マーケティングやエンゲージメント活動の結果を測定するための最初のステップです。
もちろん、コンバージョンは、重要なKPIであり、追跡すべき最も重要な指標の1つです。さらにはユーザーがあなたのビジネスにとって重要な行動を完了したことを示す信号でもあります。しかし、コンバージョンはストーリーの一部分しか語っていません。
コンバージョンを超えた測定:行動データのトラッキング
マーケティング、グロース、エンゲージメントの各チームは、最初のコンバージョンを超えて、その後のユーザー行動を追跡することで、コンバージョンだけを測定するよりも一歩(あるいは何歩も)先に進めます。
前述した出会い系アプリに限ったことではなく、追跡する行動データに潜む可能性は無限大です。
- 出会い系アプリをダウンロードし、入会後1日以内にマッチング相手に3通のメッセージを送った人
- チームコラボレーションプラットフォームのオンボーディングプロセスでプッシュ通知を有効にした人
- サイトが作成したオンライン請願書に記入を始めたが、手続きを完了しなかった個人
ユーザーがどのような行動をとっているのか、あるいはとっていないのか、いつその行動をとっているのか、ある時間内にある特定の行動がエンゲージメント、リテンション、ROIの強化に関連しているのか。これらを理解することが、長期的な成功には欠かせません。
しかもその成功とは、適切なデータを追跡し、適切な種類の分析を実施する、ということだけではありません。ユーザーの行動インサイトをリアルタイムで追跡することと密接に関係しているのが、ユーザー一人ひとりに合わせたメッセージをその場で発信することです。
それが「Data meets Marketing(データとマーケティングの融合)」です。
データとマーケティングの融合
これまで多くの企業では、データとマーケティングがサイロ化し、ユーザーの行動に関するすべての情報と、エンゲージメントを促進するためのすべてのコンテンツは、それぞれ別の管轄に置かれてきました。
しかし、実際にはデータとマーケティングは表裏一体であり、2つのパズルのピースがぴったりとはまるような関係になければなりません。行動分析とカスタマーライフサイクル・エンゲージメントを組み合わせれば、それが可能になるのです。
ここで説明したような行動データにアクセスでき、そのデータに基づいて、以下に示すような適切なメッセージを瞬時に送信して行動を起こすことができれば、企業はユーザー体験を最適化できる可能性があります。

上記画像の1つ目の例は、出会い系アプリをダウンロードしてから3通目のメッセージを送ったユーザーにアプリ内で表示されるメッセージです。2つ目は、プッシュ通知をオンにし、共同作業アプリのチュートリアルを完了したユーザーに表示されるメッセージの例です。3つ目は、オンライン署名のプロセスを開始したものの、完了しなかったユーザーへの通知です。
このように、アプリの種類とユーザーの状態によって、適切なタイミングに適切なメッセージを送ることが非常に大切だと言えます。
ユーザーの要望をリアルタイムに把握し、それに応えることができる企業では、エンゲージメントが全面的に向上し、効果的なパーソナライゼーションの取り組みで、10~30%の収益向上が期待できると言われています。
ビジネスにとって重要な指標を定義する
データに基づくインサイトと、タイムリーで適切なメッセージを組み合わせることは、マーケティング活動を改善しようとするブランドにとっての鍵を見つけるヒントとなります。その鍵とは、アナリティクスによって、あなたのブランドの針路を変える行動と指標を特定し、起こす行動そのものです。
IBMは、グロース・マーケティング・エンゲージメントの取り組みが主要な行動に与える影響を評価し、その洞察をライフサイクルキャンペーンに活用した結果、ファネル下部(ダウン・ザ・ファネル)のコンバージョンが5倍増加しました。
さらには、たった1つのキャンペーンだけで80万ドル(約1億円)の追加利益を上げることもできたのです。
自社では重要な指標の定義ができていますか?
ビジネスを成長させる上でクリティカルな指標について理解を深めたい方は、「ノーススター・メトリックの求め方」もあわせてご覧ください。
ビジネスにとって重要な指標を分析するには、ユーザーの体験や行動を数値として可視化できるAmplitudeが最適です。
まずは、デモ環境でAmplitudeのチャートを体験し、ユーザーの行動をどこまで分析できるか試してみてください。
