1 | はじめに
マジックナンバーとは、ユーザーが特定のアクションを規定回数以上行うとサービスの継続率や収益などの重要指標が飛躍的に向上する相関関係のあるアクションを示しています。
マジックナンバーの事例で有名なのは Facebook と Twitter です。


本記事では、マジックナンバーを求めてリテンションの向上をはかる手順についてご案内します。
2 | リテンションの現状確認
まずは現状のリテンションを求めてみます。ここでは Amplitude のデモデータ「AmpliTunes」で実演してみます。
リテンションは Amplitude のリテンションチャートで容易に求めることができます。AmpliTunes のリテンションは以下となっています。(チャートリンク)
Amplitude の無料デモアカウントをお持ちの方は上記の (チャートリンク)をクリックすると実際のリンクをご確認いただけます。20秒で簡単に登録できるので、アカウントを作ってみてください。

チャートによると AmpliTunes のリテンションは以下となっている事が求められました。
- 1日目リテンション 28.1%
- 7日目リテンション 14.9%
- 30日目リテンション 9.84%
すなわち、初日に100人の新規ユーザーを獲得したら30日目には10人弱のユーザーがサービスを継続利用してくれている事になります。
3 | マジックナンバーを求めてみる
リテンション向上に向けたマジックナンバーを求めてみます。マジックナンバーは Amplitude のコンパスチャートで求められます。
新規ユーザーが4週間後に継続利用している際に統計的に相関関係のあるアクションを求めてみます。(チャートリンク)

複数のアクションが4週間後のリテンションと相関関係にある事が求められました。その中でも最も相関関係のスコアが高い以下のアクションに注目してみます。
1:Edit Profile
Edit Profile はユーザーが AmpliTunes でプロファイル変更した際に発火するイベントです。コンパスチャートによると、マジックナンバーは以下と求められました。
2:7日間で Edit Profile を2回以上実行
ちなみに、このマジックナンバーはビックデータから求めた相関関係です。実際にはプロファイル変更する事により、レコメンデーションエンジンがユーザーの好みを把握し、よりユーザーの嗜好に合ったサービスを提供できるようになった為、継続してサービスを利用してくているのかもしれません。
Amplitude では AI を使って相関関係に加え、因果関係も求める事ができます。こちらについて詳しく知りたい方にはデモをお見せいたしますので、問い合わせフォームからご連絡ください。
4 | 効果検証
ここでは前章で求めたマジックナンバーによって、どれだけのリテンション向上の効果があるのかを検証してみます。
この検証を行う為、リテンションチャートで以下を比較してみます。
この比較を行なったのが以下となります。(チャートリンク)
〈全体ユーザーとマジックナンバーを実行したユーザーのリテンション比較〉

全体のリテンション(青)とマジックナンバーを実行したユーザー(赤)の比較をすると「30日目のリテンションが 8.20% から 35.5% へと向上している」ことを確認する事ができました。
AmpliTunes の新規ユーザー数を確認した所 130,001 人でした。そのうち、30日目のリテンションユーザー増加数は35,490人であることもわかりました。
新規ユーザーのうちどれだけがプロダクトを使い続けているのかを把握することは、非常に大切です。
5 | まとめ
ここでは、リテンション向上に向けたマジックナンバーを求め、その効果検証を行いました。
結果 Edit Profile を実行すると 30日目のリテンションユーザー数が 35,490 人増加する事が判明しました。より多くのユーザーに Edit Profile を実行してもらうため、下記のような施策が考えられます。
- Edit Profile を一度も実行していないユーザーにメッセージ施策で Edit Profile の実行を促す
- アクティベーションの中で Edit Profile を必ず実行してもらう
1つ目のようにプッシュ通知を行ったり、2つ目のようにUI ・UXを変更したりするなど、示唆を得られると具体的な施策に落とし込むことができるようになります。
このようにユーザー定着と相関関係のあるアクションを導き出し、導き出したアクションをより実行し易い環境を繰り返し整備してサービスをグロースさせて行く事を Amplitude ではお勧めしています。
6 | 他のグロース手法のご案内
リテンション向上はゲーム、コマース、メディアなどあらゆるサービスで重要であり、リテンションを計測せずには確信をもってビジネスを成長させることは不可能と言っても過言ではありません。
「そもそもリテンションとはどういう意味なのか?」「なぜ大切なのか?」という根本的な部分から具体的な施策の立て方まで、体系的に理解を深めたい方はオンデマンド・ウェビナー「PLGウェビナーシリーズ2:リテンションの重要性を理解し、最適化を図る方法」をご覧ください。

7 | Amplitude 無料アカウントについてのご案内
Amplitude は月間 1,000万イベントまで、無料でお使いいただけます。ファネル分析 | LTV 分析 | リテンション分析 | アクティブユーザー分析等、グロースに必要な分析を行えます。
NTTドコモをはじめとする国内リーディング企業で利用されている分析ツールを、ぜひご自身のプロダクトでもお試しください。
GoogleタグマネジャーやShopifyから連携すれば、自社データをすぐに分析できるようになります。連携作業は15〜20分程度、ノーコードで手順通りにすれば簡単に進められます。ぜひ、Amplitudeのnote記事を見ながら、自社データを流し込んでみてください。
Shopifyとの連携手順はこちら|Googleタグマネジャーとの連携手順はこちら

8 | Amplitude について
Amplitude は、多くのアナリティクスが採用している「セッション軸」でなく、「ユーザー軸」でユーザー行動分析ができるアナリティクスです。ユーザー行動分析により、顧客理解を深める事ができ、データに裏付けされたサービス改善を図る事ができます。
Amplitude は全世界で30,000社以上の導入実績があり、NTTドコモ、Dropbox、PayPal、 Under Armourなどのグローバル企業で利用され、データに裏付けされた顧客理解やサービスグロースを支援しています。
日本市場においては、パートナーである代理店と共に、イベント設計、ETL、導入から分析を含む運用支援を一気通貫でご提案いたします。Amplitudeを御社がどのように活用できるのか気になる方は、まずはお気軽にメッセージください。(問い合わせフォームはこちら)